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    コモド島観光のモデルコース ①コモド島アイランドホッピング

    コモド島のあるコモド諸島に行くには、コモド空港のある港町ラブアンバジョから航路で向かいます。ひと言でコモド諸島といっても、1000近くもの島々がひしめき合っているぐらい広大で、大小さまざまの島があります。

    通常コモド島などをめぐるアイランドホッピングでは、1日かけてボートツアーを組んでまわるわけですが、一般的には下記の行程になることが多いようです。
    今回は、独自取材でリサーチしましたので、いわゆる「コモド島ツアー」はどういうルートになっているかをご紹介したいと思います。

    一般的なコモド島ツアーのコース

    ・パダール島
    ・ピンクビーチ
    ・コモド島
    ・タカマカサル島
    ・マンタポイント
    ・タートルポイント(シャバ島)

    これらの島々やポイントを巡るボートツアーは、コモド諸島観光の中心ともいえる存在です。それぞれの場所がまったく異なる魅力を持っており、1日の中で景色や体験が大きく変化するのが特徴です。単に島を移動するというよりも、「景色を味わい、自然に触れ、海を楽しむ」という流れが連続して続いていきます。

    パダール島とピンクビーチ

    最初に訪れることが多いパダール島は、コモド諸島を象徴する絶景スポットとして知られています。島の中央部にある展望ポイントまで歩くと、複雑に入り組んだ湾と、色の異なる複数のビーチを同時に見渡すことができます。乾いた大地と青い海が織りなす独特の風景は、他のリゾート地とはまったく異なる印象を与え、コモド諸島が特別な場所であることを強く実感させてくれます。

    ポイントはパダール島は入島制限があり、午前10時までに入島しないと上陸できません。それゆえ、朝いちばんで訪れることが多いのです。ちなみに、ほとんど知られていませんが、パダール島は15時以降に再度開放され、入島し夕日が見られるのですが、この時間にパダール島方面に航路をとるクルーズはほとんどないので、行程を組み入れることは難しいです。

    続いて立ち寄るピンクビーチは、その名のとおり淡いピンク色の砂浜が広がる珍しいビーチです。白砂と赤いサンゴの粒子が混ざり合うことで生まれるこの色合いは、自然が長い時間をかけて作り出したものです。波打ち際を歩いたり、浅瀬で海に入ったりと、思い思いの時間を過ごすことができます。海の透明度も高く、シュノーケリングを楽しむ方も多い場所です。

    なお、通常のコモド島ツアーで訪れるのはパダール島のピンクビーチです。隣りにはロングビーチという同じくピンクビーチがありますが、そちらにはプライベートツアーで訪れることが多いようです。

    メインのコモド島とタカマカサル島

    コモド島は、コモド諸島観光の中でも特に重要な存在です。この島では、世界最大級のトカゲとして知られるコモドドラゴン(コモドオオトカゲ)が野生で生息しています。観光では必ずレンジャーが同行し、定められたルートを歩きながら島内を巡ります。乾燥した大地や木々の間に現れるコモドドラゴンの姿は、動物園や映像とはまったく異なる迫力があり、この地ならではの体験として強く印象に残ります。

    コモドドラゴンは通常朝エサを求めて水場に集まります。同じく水を飲みにくる動物を狙うためですね。そして、捕食して食事が終わると、暖かくなることもあって、動作は鈍くなります。そのため、本来であれば朝方訪れた方がコモドドラゴンが活発に動いている可能性が高いのですが、前述したとおり、パダール島の入島制限があるために、コモド島を後回しにせざるを得ません。またコモド島には昼食であるお弁当を食べるスペースがあるので、必然的にこの島が昼食場所となっています。

    個人的には、コモド島をなるべく早くまわって元気なコモドドラゴンを見た方がいいと思うのですが、それができるのはプライベートツアーのみとなります。ただ、ひとつ言えるのは、ピンクビーチもコモドドラゴンも、そしてパダール島もそれぞれが捨てがたく、すばらしい観光スポットですので、それを1日でまわろうとすれば、このような行程順になってしまうのも、やむを得ないともいえます。

    さて、その後に訪れるタカマカサル島は、海の上にぽつんと浮かぶ白い砂州のような場所です。潮の満ち引きによって姿を変えるこの島は、周囲を360度海に囲まれており、どこを見渡しても青い世界が広がります。短時間の滞在であっても、非日常感を存分に味わえるポイントです。写真撮影を楽しむ方にとっても、非常に人気の高い場所です。

    シュノーケリングも充実、マンタポイント&タートルポイント

    マンタポイントでは、コモド諸島の海の豊かさを象徴する体験が待っています。この海域にはマンタが集まることが多く、シュノーケリングをしながら優雅に泳ぐ姿を観察できます。大きな体でゆっくりと泳ぐマンタの姿は、見る人に強い感動を与え、コモド諸島の自然のスケールの大きさを感じさせてくれます。

    特に、水深のあるところでは真下を群泳する姿を、浅いところでは優雅に旋回したりと、マンタの様々な姿を見られるので、見られた日には一生の思い出になると思います。
    マンタの遭遇率については、正確な統計を知りませんが、実感としては年間を通じ60~70%程度なのではないかと思います(もちろんシーズンによってばらつきが大きくありますが)。

    タートルポイントとして知られるシャバ島周辺では、ウミガメと出会える機会があります。穏やかな海の中を泳ぐウミガメの姿はとても印象的で、海の生き物との距離の近さを感じられる場所です。サンゴや熱帯魚も多く、シュノーケリングを通じてコモド諸島の海の多様性を実感できます。

    ちなみに、シャバ島周辺でもたまにマンタが見られることもあり、そういう日に当たるとかなりラッキーです。

    このように、コモド諸島のアイランドホッピングは、1日の中で陸と海、野生動物と景観、静けさと躍動感を次々と体験できる構成になっていて、ぜいたくな島めぐりです。どの島やポイントも役割が異なり、それぞれが旅の流れの中で意味を持っています。そのため、行程全体を通して単調さを感じることがなく、時間の経過とともに印象が積み重なっていきます。

    コモド島めぐりはあらゆる魅力が凝縮され満足度が高い

    ラブアンバジョを拠点に日帰りでめぐるこれらのルートは、コモド諸島観光の王道ともいえる内容です。限られた滞在日数の中でも、代表的な見どころを効率よく巡ることができ、初めて訪れる方でも全体像をつかみやすい構成になっています。

    コモド諸島は、ただ美しいだけの場所ではなく、地形、生態系、海の表情が複雑に重なり合った特別な地域です。島々を巡ることで、その多様さを体感し、場所ごとの違いを楽しむことができます。アイランドホッピングは、そうしたコモド国立公園の魅力を一日で凝縮して味わえる、非常に満足度の高い観光スタイルといえるでしょう。

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