最近までお土産屋自体がほとんどないのどかな港町だったラブアンバジョは、定番のお土産というものがありませんでした。
コモドドラゴンと人間が兄妹だという伝説が昔からあり、それもあって木彫りのコモドドラゴンがよく売られていますが、そういったものが主流でした。
あとは、ラブアンバジョのあるフローレス島はコーヒーの産地があるために、フローレスコーヒーもよく売られています。

フローレスコーヒーとはなにか簡単に説明しますと、生産地として特に有名なのが「バジャワ(Bajawa)」地区です。バジャワは標高が高く、昼夜の気温差が大きい地域で、品質の高いアラビカコーヒーの産地として知られています。この地域では小規模農家による栽培が中心で、手作業による収穫と丁寧な精製が行われています。インドネシア特有のスマトラ式精製(ウェットハル)で処理されることが多く、これが独特の重厚なボディと複雑な香味を生み出します。
また、フローレス島では有機栽培に近い形でコーヒーが育てられている農園も多く、化学肥料や農薬の使用が少ないことでも知られています。そのため、クリーンな後味と自然な甘みが感じられるロットも多く、スペシャルティコーヒーとして扱われることも増えています。近年はヨーロッパや日本のロースターがバジャワ産コーヒーに注目し、単一産地コーヒーとして紹介される機会も増えました。
抽出方法としては、ペーパードリップやフレンチプレス、エスプレッソなど幅広いスタイルに向いています。特に深煎りにすると、チョコレートやカカオの風味がより強く感じられ、インドネシアコーヒーらしい重厚な味わいが楽しめます。逆に中煎りでは、ほのかな果実感やスパイス感が現れ、バランスの良い風味になります。
フローレスコーヒーはまだ世界的な知名度ではスマトラやジャワほど高くありませんが、火山島ならではのテロワールと伝統的な栽培方法によって、個性のはっきりした味を生み出す産地として評価が高まりつつあります。コモド島やラブアンバジョを訪れる旅行者にとっても、現地で味わうフローレスコーヒーは、この地域ならではの文化と自然を感じられる特別な一杯といえるでしょう。

こちらは市内スーパーでも売られているマンガライ産のフローレスコーヒーです。
左は日本円で約400円、右のイエローカツーラは約1000円(いずれも150g)します。
香り豊かで濃厚な味わいでとても美味しいのですが、現地のコーヒーの飲み方はトルココーヒーがほとんどです。極細挽きでカップにそのまま入れて飲むのでじゃりじゃりするんですね。これが勿体ない。
ドリップコーヒーにして飲んだ方がはるかに良いと思うのですが、フィルターに通してみると案の定目詰まりして飲める量になりません。

ラブアンバジョのコーヒーショップの中には自家焙煎で良いものを販売しているお店もありますが、ごくわずかです。また、ものによっては買ってみなければドリップ用かわからない商品もありますので、1000円もするのであればなかなか勇気が要りますよね。
豆を輸入して日本で挽いて販売されているものがありますが、やはりそういう方が美味しいコーヒーを飲むという意味ではベターなのではないかと思ってしまいます。それではお土産になりませんが。

ちなみに、スターバックスが「コモドドラゴンブレンド」という商品を販売しています。
これはその名の通りフローレスコーヒーなのではないかと思ってしまいますが、実際にはアジア・太平洋地域のコーヒーのブレンドということなので、入っている可能性はありますが、フローレスコーヒーというわけではありません。
近年著しい発展を遂げているラブアンバジョですので、そのうち良いお土産用コーヒーが出てくるかもしれませんが、残念ながらまだ少し時間がかかるようです。

